「なんだか、まだ信じられないんだけど…」

私がそう言うと、

「信じられないも何も、もう提出したんだから。荷造り済ませてあるんだろ?荷物の送り状を実家から俺の部屋に変更するだけでいいよな」

怒涛の展開で、その晩から晃輝の部屋に転がり込むことになった。

転がり込むどころか、勢いだけで結婚してしまったのだ…。

大きな手が私の頭を撫でる。

「心配するなよ。とにかく、ちゃんと食べて、しっかり休むんだぞ?ほら、ベッドのシーツなら今朝替えたばっかりだから」

そう言い、晃輝は寝袋を取り出す。

「あ…じゃあ、私が寝袋借りるね」

「何言ってるんだ。紗英はベッドでちゃんと寝ろよ」

「そんなの悪いってば…」

「家族には甘えられるはずだろ?」

そう言われ、言葉に詰まる。

「いいの…?」

「いい悪いの問題じゃなくて、そうしなきゃダメだって言ってるんだよ!」