「でも、どうして興味ないの？」

「んー…めんどくさいというか、荷が重いというか」

ドライだなぁと思いつつも、少しわかる気がする。

「確かにそうかもね。恋愛はともかく、私も結婚はしたいと思えない」

すると、今度は晃輝のほうが、前のめり気味に理由を尋ねてくる。

「だって、結婚って二人だけの問題じゃないし、相手の人生を全部背負いこむことになるわけじゃない？私にはとてもそんな甲斐性ないもの」

１９歳なりの結婚観を口にすると、晃輝は妙に感心した様子だ。

「へぇ…女の子もそんなふうに思うんだ？」

「他の子はどうか知らないわよ」

「てっきり女の子って『私のことを幸せにしてね』みたいな感じなのかと思ってたよ」

「まあ、そういう子も居るでしょうね。でも、現実は、女は仕事も家事も丸投げされて、命がけで子供産んで、子供の面倒も一人でみることが多いじゃない？結婚なんて何のメリットもないわ」