「いや。興味がないんだ」

「興味がない?」

「ああ。恋愛とか、結婚とか、女に興味がないってこと」

意外!とも、やっぱりね…とも思える答えだ。

「ふーん。その割に、私のことはよく呼び出すじゃない」

「嫌?」

「そうじゃなくて、ただ不思議だと思っただけ。さては、私のことは女の内にカウントしてないとか?」

「あ、バレた?」

そう言って晃輝は笑う。

「全く、酷いわね…」

内心、ガッカリしてしまった。

実を言うと、私のことだけは特別、なんて答えを期待していたから。

しかし、私たちは二人で出掛けても、デートという雰囲気は皆無だ。

今だって、ファミレスでダラダラと喋っている。

もし、私のことが特別な女の子だったら、もっと気取った店に行ったり、甘い言葉をかけたりしただろう。

そんなことは、これまでに一度もない。