「しかしまぁ、紗英のご両親が物凄く寛容な人たちでよかったよ。めちゃくちゃ怒られることを覚悟してたからさ…」

年末年始に一緒に帰省し、結婚の事後報告をした私たち。

東京へ戻る車中にて、晃輝が心底安堵した調子で言う。

堂々としていたのに、内心怯えていた晃輝が可愛くて、思わず笑ってしまった。

実は、帰省する前に実家に電話をかけて、何もかも全て話しておいた私。

電話の向こうで、両親は明らかに動揺していたが、私が事細かに理由を説明すると、

「そこまで想ってくれる人なら、大事にしなさいよ」

穏やかな声で言われ、私も安堵したものだ。

Uターンラッシュの高速道路というと、一人の時はいつもストレスだった。

しかし、晃輝が一緒だと、交代で運転できるだけでなく、日常的に長時間話しているので、全く苦痛にならない。

今は、晃輝がハンドルを握っている。