再就職先も決まった初冬の週末。

すっかり馴染んだ二人きりの部屋で、就職祝いをしていた。

食後にソファで肩を寄せ合っていた時、私は改まって、

「晃輝に話があるの」

そう切り出すと、

「実は俺も」

一体何だろう?

「じゃあ、晃輝が先に言ってよ」

「今更だけど、まだちゃんと紗英のご両親に挨拶してないじゃん。年末年始に紗英が帰省する時、一緒に挨拶しに行きたいと思って」

当たり前のように言われ、私は思わず目をパチパチさせてしまう。

「紗英の話は何?」

なんだか言いにくい…。

「えっと…私、再就職も決まったことだし、そろそろ晃輝のこと解放しなきゃって思って…」

すると、晃輝は怪訝そうに、

「解放って何のことだよ?」

「だから…晃輝を自由にしなきゃって」

「何を言ってるのかサッパリわからないんだけど」

私もまた、晃輝の心が読めなくて戸惑う。