そんなことを言われても、眠れるわけがない。

しかし、寝る前の薬を飲み、遠慮がちにベッドに横たわると、すぐに眠ってしまった…。


翌朝、私は今までになくスッキリと目が覚めた。

しかし、晃輝の姿がない。

テーブルには、朝食が並べてあった。

「仕事行ってくる。あんまり美味くないかもしれないけど、朝飯はちゃんと食べること!」

そんな走り書きが残されてある。

もう何度も遊びに来たことのある部屋だが、泊まったことは一度もない。

いつも通り、部屋は割と散らかっているのに、私の為に朝食を用意してくれたのか。

「いただきます…」

一口食べてみると、美味しくて驚いた。

私たちは食べ物の好みが似ているからなのか、味付けも丁度いい。

インターホンが鳴り、出ていいものか少し迷ったが、モニターの向こうに居たのは配送業者だったので、ドアを開けた。