晃輝との出会いは、大学に入学して間もない頃の、人数合わせの合コンだった。

私は気乗りしなかったし、皆が盛り上がっていても、向かい席の側の男の子も、露骨につまらなさそうな顔。

しんどい、早く帰りたい…そっと席を離れ、通路でひとりになっていた時、

「あんた、人数合わせで来たんだろう?」

そんな声に驚いて振り向くと、向かいの席に居た男の子が私を見下ろしていた。

「あ…ごめんなさい。ノリが悪くて」

「別にいいよ。俺も人数合わせで来ただけだし」

「そうなんだ?」

「全く、皆やかましくてしょうがないよ」

「ホントにね」

そう言って少し笑うと、

「じゃあ、一緒に抜けようか」

「え…?」

「人数合わせが一人ずつ抜けるなら、別に問題ないじゃん」

そういう問題か?と思いつつも、流されるように二人で居酒屋をあとにした。

その、人数合わせで来ていた男の子が晃輝だ。