及川くんは、優しい人だ。

ちょっとシャイすぎるかもしれないが、そんな彼が勇気を出して告白してくれたことは、今でも嬉しい。

途中、道の駅でお昼を食べてから、車は、都心から離れた砂浜に着いた。

今はまだ海水浴シーズン前ということもあり、ひとけがない。

「ねぇ、模型飛行機ってどんなの?」

そう尋ねると、少年のような笑顔で見せてくれた。

「へぇ…こんなのよく自分で作れるね。やっぱり器用なんだなぁ」

「そんなことはないけど、何しろ、ものづくり全般が趣味だから」

私は、指を怪我するわけにいかないので、料理もろくにしないし、日曜大工なんて、憧れはしても、とても無理だ。

いつだったか、チラッと、

「将来一緒になれたら、三井さんの代わりに、僕が料理とか日曜大工できるのにな…」

照れたように呟いていたのを、今も覚えている。