9月下旬、久々に私たちは休みを合わせた。

及川くんの模型飛行機、第二号が出来上がり、前に行った海とはまた別の、更に遠い海岸へとドライブデート中。

「今度こそ、飛ぶといいね!」

「うん。多分、今回はいけるんじゃないかな」

場所こそ違えど、今もまた、ひとけない砂浜にて、

「じゃあ、飛ばすよ」

「うん!」

どうか飛んで…!

そう願うと、模型飛行機は、空高く舞い上がった。

「やったね!」

二人して、大喜びした。

飛行機を飛ばし、また前回のように砂浜で一頻り遊んだあと、私たちは、肩を寄せ合って、夕陽が海に沈むのを見ていた。

この前と違う海を選んだのは、この瞬間を見るため。

そして、もうひとつの理由は、ここは私の実家のすぐ近くだから。

今の私たちは、今度こそ“きちんと将来を見据えて”の交際中である。