「だから、そういうことじゃない!なんかもう、わけわかんなくなった…。確かに拒否はしなかったけど、こんなにもあっさり浮気されたことが、どうしても受け入れられないんだよ…!」

まさかの展開に、私が狼狽していると、

「悪いけど…今はひとりにしてくれ」

「そんな…!」

「帰ってくれ」

自業自得だが、悲しみのあまり、泣きそうになってしまう。

しかし、今ここで私が泣くのは間違っていると思い、必死で堪えて部屋を出ようとした。

その時、

「うっ…!」

諒の呻き声がして振り向くと、彼は頭を抱えながら蹲ってしまった。

「諒!?どうしたの!?」

私は、即座に救急車を呼んだ…。

間もなく、救急車が到着し、私は救急隊員に言われるまま、一緒に救急車に乗り込んだ。

これまでの人生で、最大の恐怖を感じている。

「ねぇ、諒!しっかりして!」