ドンっ…。

教室を出たタイミングで人にぶつかってしまった。
いてて…。


「ごっ、ごめんなさいっ。大丈夫ですか…?」


そう言って相手の人を見上げると…


「せ、生徒会長さん…!?」


ぶつかってしまったのは、まさかの生徒会長さんだった。
全校集会のときやイベントごとのときによく見かけるから、顔はなんとなく知っていた。

深い青のきれいな髪と同じ色の瞳。すごくきれいな顔立ちの人。


「藍ー?どしたの…って、え?」


生徒会長さんの後ろから歩いてきたのは、副会長さん。
副会長さんも顔は知っていた。

アッシュレッドの流行りの髪型と人当たりの良さそうな赤茶の瞳。なんとなくチャラそうだけど、この人もかっこいい。


「かわいー子じゃん。藍、ナンパしてたの?」


「な、ナンパなんてされてませんっ!」


可愛いとかナンパとか、ありえないのにっ…。
副会長さん、ほんとにチャラいよ…。


「…ははっ、何この子。めっちゃ可愛いんだけど」


「陽、やめろ。…ケガとかしてない?」


「は、はいっ…」