翌日は平日で、学校に行った。
基本は学業優先で活動させてもらっているから、平日は休むことなく学校に行っている。


「おはよ華音」 


「莉子ちゃん、おはよう」


学校につくと、同じクラスの友達、藤本莉子ちゃんが声をかけてくれた。

きれいで大人っぽい莉子ちゃんは姉御肌で、私といつも一緒にいてくれる優しい子。


「あ、華音、莉子おはよー」


「おはようっ…」


何人かの友達といっしょにおしゃべりをする。
毎朝同じメンバーで話すこの時間が、私は結構好き。
話題はだいたい学校のことや、好きなアイドルの話なんだけど…


「ねね、昨日のカノンの生配信見た?」


「見た見た!カノン、やばいよね。相変わらずめっちゃきれいで可愛い声してる」


ときどき、カノンの話になることがある。

みんな好意的な事を話してくれているけど、私はかなり気まずい。
自分の話を他人として聞いてるなんて…この話になると毎回緊張がすごい。


「莉子と華音は見た?」


「わっ、私は見てないよ…!」


「私も」