「ごめん。あたし、夏休みに会った時、北見さんにヤキモチ妬いてた」

突然素直にそんな風に言われて、一瞬驚いたけど。

あの時のことをずっと気にしてくれていたんだなと思うと、愛情を感じて可愛いなと思う。

だから、俺も麗さんのことは本当に幼い頃に憧れていた存在だったということと、もうすぐ結婚することを話した。

事情を知った椎名さんは、本当に安心したような表情になった。

「だから、安心して俺のとなりにいてよ」

そう言ってつないだ手を引き寄せて抱きしめると、

「大好きだよ、慧」

少し照れながら初めて名前で呼んでくれたことが嬉しくて。

“大好き”だと言ってくれた彼女がとても愛しくて。

「これからも離さないから」

そう言って彼女にキスをした。



*Fin.*