「これからもあたしの隣にいて、一緒に夢を探してください!」

その言葉がまっすぐ心に響く。

たくさんの勇気を出して伝えてくれた想いに、胸の奥が熱くなった。

「それではここで、安東くんから一言もらいましょう! 安東くん、前にどうぞ!」

司会の人に名前を呼ばれ、戸惑いながらも梓の横に並ぶ。

「一言お願いします」と言われて「これからもずっと隣にいて下さい」と言うと、会場中から歓声があがった。

たくさんの拍手に包まれながら、手をつないでふたりでクラスの方へ戻る。

つもりだったけど、椎名さんとふたりきりで話す時間がほしくて、裏庭の方へ向かった。

「まさか椎名さんが出るなんて思わなかった」

誰もいない静かな裏庭で、思わずそうつぶやいていた。

後夜祭で始まった今年目玉のイベントに彼女が出場して、自分の気持ちを伝えてくれるなんて思わなかった。

そもそも椎名さんは目立つ存在だけど、自分からああいう風に人前に出て目立つことは好きじゃないタイプだから。