「ごめん。あたし、夏休みに会った時北見さんにヤキモチ妬いてた」

もう一度正直になってそう話すと、安東は一瞬驚いたような表情になった。

でもすぐに穏やかな笑顔で話し始めた。

「確かに小さい頃は麗さんに異性として憧れてたよ。でも、今は本当に姉みたいな存在なんだ。それに、彼女もうすぐ結婚するしね」

「え、そうなの?」

「うん。今大学4年生で、来年卒業したら10歳上の彼氏と結婚するんだって」

「そうなんだ…」

真相を聞いたら、ひとりで勝手にヤキモチ妬いて怒ってた自分が本当にバカみたいに思えた。

「だから、安心してこれからもずっと俺の隣にいてよ」

そう言って、安東が繋いでいた手を引き寄せてあたしを抱きしめた。

さっきよりずっと近くなった距離に、好きの気持が溢れる。

「大好きだよ、慧」

これから先もずっと。