「主張を聞いてどうでしたか?」

「すごく驚いたけど、嬉しかったです」

「椎名さんに一言お願いします」

「これからもずっと隣にいて下さい」

安東の言葉に、みんなからヒュ~!と声が上がる。

どうしよう。すごく恥ずかしい、けどすごく嬉しい。

お互い目を合わせて、笑い合う。

「椎名さん、彼氏の安東くん、ありがとうございました~!」

たくさんの拍手の中、あたしと安東は手をつないでクラスの方へと戻る。

はずが、なぜか安東は違う方向へ歩きだした。

そして、辿り着いたのは裏庭だった。

「まさか椎名さんが出るなんて思わなかった」

ぽつりと呟いた安東の言葉は、さっきまでの賑やかさがウソのような静かな場所で妙に大きく聞こえた。