結局あたしは安東ときちんと話せないままだった。

でも…これから始まる後夜祭で安東たしは安東ることを決めていた。

「それでは今年の後夜祭のメイン・イベント、JKの主張を始めま~す!!」

司会役の文化祭実行委員長の言葉で始まったJKの主張は、校庭でステージがわりの朝礼台から女子が自分の想いを主張するというもの。

事前に参加者を募集していて、ほとんどは好きな人への告白だ。

両想いになれた子もいれば、失恋してしまった子もいる。

全校生徒が集まって大盛り上がりの中、

「さ安東、それでは続いての主張です。3年3組の椎名 梓さん、お願いします」

ついにその時が来た。

クラスの皆の視線を感じながら朝礼台へと向かう。

みんなから一斉に注目されて、緊張で思わず足が震える。

いつも強気な安東たしだけど、こうしてたくさんの人の前で何かを話すのはすごく苦手だ。

だけど…今だけは勇気を出して伝えなくちゃ。