と思いつつ、結局選んだのは中華のお店。
安東はラーメン、あたしはチャーハンを注文した。
店内は、カップルよりも家族連れが多い。
そのせいか、いかにもギャルなあたしはこの空間でかなり浮いている。
なんとなく好意的ではない視線を向けられている気がする。
「なんかうちらって場違いだったかな」
思わずそんな一言を口にしたら、
「別にそんなことないだろ。まぁ、昼から中華チョイスする女子高生はあまりいないってことだな」
相変わらず淡々と言う安東。
「すいませんね、花の女子高生が昼から中華チョイスして」
「いや、別に俺は構わないけど。ただ意外だっただけ」
「え?」
「なんか、女子ってイタリアンとかオシャレなカフェとか好きそうだし。梓は絶対そういう店に行きたがるだろうと思ってたから」
「そりゃ、あたしだってそういうお店の方がいいけど。でもすごい混んでたし、並ぶの面倒だったから」
「そっか」