「髪型よし、メイクよし、服装よし」
鏡の前で全身チェックして、時計を確認したら…
「ヤバっ 遅刻じゃん!」
もう家を出る予定だった時間を過ぎていた。
急いで支度して、待ち合わせ場所へ向かう。
今日は、安東との記念すべき初デートだ。
待ち合わせ場所の駅前広場で安東の姿を見つけた。
Tシャツにジーパンというラフなスタイルで、スマホを見てる。
やっぱり、時間通り来る性格なんだ。
わざと驚かせようと思って、後ろからこっそり近づく。
「わっ!」
「……!?」
見事にハマってくれた安東が、慌てて後ろを振り返った。
「ひっかかった♪」
「なにガキみたいなことしてんだよ」
呆れ顔の安東。あれ、もしかしてちょっと本気で怒ってる?
「ごめん、ちょっと安東のこと驚かせてみたかったから」
いつも冷静で落ち着いている安東が驚いてるところが可愛いなんて言ったら、機嫌悪くなりそうだから、言うのはやめておこう。
「時間過ぎてるから早く行こう」
そう言って、さっさと歩き出す安東。