「美容系か。そっか。そんな道もあるんだ」
初めて知った、というような表情でそうつぶやいた椎名さん。
きっと今までどんな分野があるかも知らなかったんだろう。
「焦らなくても大丈夫だから。自分のペースで調べて考えてみなよ」
みんなが進路を決め始めて動き始める夏。
まだ何も見えないのはすごく不安だろうし、焦る気持ちもあると思うけど。
これから少しずつ知って考えていけばいい。
「……ありがと……」
小さな声でうつむきながらそう口にした椎名さんの表情は、ほんの少しだけ泣きそうに見えた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…