そもそも、勉強が嫌いなあたしは受験して大学進学する気なんて全くないけど。
安東は頭いいからきっと大学受験するんだろうな。
あたしは…どうしたいんだろう?
大学に行くつもりはない。だからって就職したいとも思ってない。
まだ高校を卒業するっていう実感もないのに、そのあとのことなんて考えられないよ。
「どうした?」
配られた日程表を凝視したままのあたしを不思議に思ったのか、安東が声をかけてきた。
「安東は進路どうするの?」
さり気なくそう訊いてみたら、
「T大学の文学部」
あっさりと即答された。
T大って超有名な難関校じゃない。
頭いいとは思ってたけど、まさかそこまでレベル高いとは……。
「椎名さんは?」
訊き返されても即答できない。
「……考え中」
今はそうとしか言えない。