言いながら突然泣きだしたあたしを見て、安東が慌ててハンカチを差し出してくれた。
「…うん、そのつもりだったけど…」
そのあと、安東が告げた言葉は衝撃的だった。
この前の隠し撮り写真は、秋山さんが撮ったものだったらしい。
そんなことをする理由なんて、ひとつしか浮かばない。
アキラとのことが許せなくてやったことなんだ。
秋山さんに呼び出された時、あたしがきちんと謝っていれば。
あんな態度をとらなければ。
こんな騒ぎにはならなかっただろうし、安東を巻き込むこともなかったんだ。
「……ごめん」
今までずっと言いたいけど言えなかった言葉。
今さら遅いかもしれないけど、やっぱりちゃんと伝えなくちゃ。
「あたしのせいで、安東までイヤな思いさせて。しかも、庇ってくれたのに酷いこと言って、ホント最低だと思う」
気がつけばまた涙が溢れていた。
人前でこんな風に泣いたことなんて、初めてかもしれない。
「……俺の方こそ、ごめん。みんなの前であんなこと言っちゃって」
安東はこの前のように冷たく突き放さず、そう言ってくれた。