翌日、教室に入った瞬間からいつもと空気が違うなと思った。

あたしに向けられている視線が冷たいし、一瞬こっちを見てヒソヒソと小声で話し合っている女子もいる。

「2年の子の彼氏と浮気してたんでしょ?」

「可愛ければなんでも許されると思ってるのかなぁ?」

「そういうの、マジウザいんだけど」

やっぱり昨日のことか。

偶然聞こえてきた会話で納得した。

たった1日でこれだけ騒ぎになるなんて、女子のウワサ力ってすごいとつくづく思う。

それに、昨日まで普通に話してた女子達があっというまに敵になる。

中学時代から何度も経験してきたことだから、もう慣れてしまった。

昼休みになると、昨日まで一緒にお弁当を食べていた梨沙が、あたしを避けるように他の子達のグループに入っていった。

朝からずっと感じる女子達の反感の視線と好奇の視線。

時々聞こえてくるあたしの陰口。

自業自得だとは思うけど、さすがに気が滅入るし、疲れる。

教室でお弁当を食べる気になれなくて、教室を出てある場所へ向かう。