こうやって浮気されて、嫉妬して、苦しんで、泣いて。

そんなの、バカみたいじゃない。

「あのね。ひとつ言っておくけど、アキラは秋山さんが思ってるような男じゃないよ。あたし以外にも何人も浮気相手がいるし、多分秋山さんのこともすぐに飽きると思うから」

「……椎名先輩、ひどい…! 」

「ひどいのはアキラでしょ。もっと傷つく前に早く別れた方がいいと思うけど?」

「……っ」

さらに泣きだした秋山さんを残して、あたしは教室へ向かった。

キツイことを言ってるのはわかってるけど、事実なんだから仕方ない。

だけど、この出来事が思わぬ波紋を起こすことになるなんて思わなかった――。