「さよ……小夜子っ!!!小夜子!!!」

「死んじゃった」

「しんっ…は…?」

「せんせーはメグを好きにはならないでしょ?」

「なに言って…時枝、お前が…?」

「ねぇ、好きにはならないでしょう?そんな意地悪するならサヨちゃんからもせんせーからも大事なものを奪ったって正当防衛だよ」

「お前!!!狂ってるよ!!!小夜子がお前に何したって言うんだよっ!!!」

「分からず屋。言ってるじゃない。サヨちゃんはメグの恋を壊すんだって。メグにはそれしかなかったのに」

「なに言ってるか分かってんのか!?お前の恋とか知るかよっ…人殺し!!!お前は悪魔だ…!俺がどれだけ小夜子を…俺らがどれだけ愛し合っていたかお前に……」

小夜子、小夜子って嗚咽しながら
せんせーはピクリとも動かなくなったサヨちゃんのカラダを抱き上げた。

せんせーの白いTシャツが
みるみる赤く染まっていく。

「せんせー、大好きだよ」

「時枝…俺は一生をかけてお前を恨む。絶対に、どれだけお前が改心したって絶対に許さない。俺の全てをかけて、お前が更生したってお前の人生を壊してやる……」

涙なのか、
もうなんなのか分かんないくらいに顔をグシャグシャにして
目を血走らせて、
せんせーは八重歯が食い込むくらいにくちびるを噛み締めた。

くちびるには血が滲んでいる。

「せんせー。ちゃんと、メグを傷つけてくれてありがとう」