「ねぇ、サヨちゃん。せんせーとキス、したことある?」

目を見開いたまま
サヨちゃんはもう何も言わない。

「愛もなんにもないキス。サヨちゃんを守る為だけのキス。どんな暴力よりも痛くて、甘くて、最高にこの人を傷つけたいって思った。この世で一番最低な約束の破り方で傷つけたいって」

「小夜子、なにして……え、時枝…?」

メグが居るって知らなかったのかな。

眉間に皺を寄せて
メグを視界に入れてから
目の前の真っ赤に目を見開いたせんせー。

大好きだよ。

やっぱり。

大好き。