屋台でりんご飴、フライドポテト、かき氷とかを買って、
設置されている飲食スペースのベンチに座った。

「ねー、やっぱ焼きそばも買おっかなー。ソースの香り、罪」

「ふふ。メグちゃんって細いのにけっこう食べるんだね?帯、しんどくなっちゃうよぉ」

「だーって屋台のごはん、こういう時にしか食べられないもん」

「ね、そうだよね。ていうかメグちゃん」

「なぁに?」

「お祭りにしては荷物が大きい気がするんだけど。何持ってるの?」

「あー、これ?」

ベンチに座った時にサイドに置いた紙袋に視線を向ける。
確かに、お祭りに来るにしては
大きな荷物だ。

「お誕生日プレゼントに決まってるじゃん。サヨちゃんってば野暮だなぁ」

「え!?私に!?」

「他に誰がお誕生日の人がいるの。サヨちゃんの荷物になるから帰りに渡すね」

「そんな!私にくれるんだって知ったら持たせてるの逆に悪いよ!」

「いーの!お楽しみは後から、ね?」

「ありがとう…嬉しい」

「あ、サヨちゃん」

「ん?」

「あれ、やろうよ」

メグが指差した先には金魚すくいの出店。
サヨちゃんの表情が一瞬で曇った。