せんせーがサヨちゃんを見る時の視線。

細める目。

小さい世界で
寄り添って泳ぐ二匹の金魚。

絶対に迴、って呼んでくれないせんせー。

小夜子って呼ぶせんせー。

せんせーはたぶん、
サヨちゃんが好きだ。

いとこっていう理性で、
大人っていう理性で、
教師だって理性で、

全部くだらない常識、世間体、理性で押さえつけているだけの本能、欲望。

許さない。

せんせーはメグのもの。

初恋を奪われたあの瞬間から。
せんせーにはメグを愛する責任がある。

絶対に誰にも渡さない。

メグを視ない目なんて
潰れてしまえばいい。

メグ以外の声を聴く耳なんて
削ぎ落としてあげる。

メグ以外の名前を呼ぶくちびるも、
メグじゃない肌に触れる指も、
メグにドキドキしない心臓も、

全部全部、メグが正しく戻してあげる。

メグとせんせーだけのアクアリウムを創ってあげるからね。

こんな小さい世界も
こんな女も、

要らない。