恋っていうものは“されるもの″で、
決して″するもの″なんかじゃないってずっと思ってた。

メグはいつだって選ばれる側の人間だって
誰かが言っていた。

周りの子達は羨ましいなんて言ってくれるけれど
ほんとはちょっと寂しかった。

だって本気で誰かに恋に落ちるってことを
メグはこのままずっと知らないまま生きていくのかなって思ったら
ちょっぴり怖かった。

オートで死がやってくるその日まで
メグは不特定多数に好いてもらう為に
ニコニコと可愛らしく微笑んで。

痺れるくらいにココロがキュンってしたり
セルフで死んじゃうくらい恋に傷ついたり
「今日ね、おはようって言えたんだよ」って
いじらしく友達と笑い合ったり。

そんなこともできないままなの?
これってもしかして病気なんじゃないの?

考え出すと恐ろしくてたまらないから
メグはいつからか
自分のココロに嘘をつくようになった。

愛とか恋とか好きとか特別とか
ましてや運命とかなんてバカみたい。

そういうものをメグに求めたいんなら
勝手に求めてればいいって。

愛も恋も特別も運命も
勝手に求めてさ、
ときめいていればいーじゃん。

やめてって言ったって
やめてくれるわけじゃないし。

だって愛も恋も本能なんでしょ?
抗えないんでしょ?

だったら好きにさせてあげる。
メグのこと、一番のお姫様にしてくれるなら、ね?

って。

そう思ってさ、
優越感に浸ってるほうが
自分のダメな部分に触れないで済むからラクだったんだもん。