「時枝は、確か同中の子、いたよな」
「はい…」
「もう帰っただろ?一緒に帰んなかったの?」
「ちょっと…用事があって…」
「用事?外見てただけじゃん」
クスクス笑うせんせーから
視線が逸せなかった。
ずっと外を見てただけだって
なんで知ってるの?
あんなに囲まれて
お喋りしてたくせに。
「外を…」
「んー?」
「きれいなものを…見てました」
「きれいなもの?」
言いながら、
せんせーが窓に近づいて
校庭を見下ろした。
「はい。窓に…」
「あー、桜?」
「違います」
「違うの?なに見てたんだよー」
「内緒です」
本当に桜を見てたって言ってしまうのはなんだか惜しくて、
でもせんせーを見てた、だなんてもっと言えなくて。
なんにも答えないことが
一番、正解なんだって思った。
「はい…」
「もう帰っただろ?一緒に帰んなかったの?」
「ちょっと…用事があって…」
「用事?外見てただけじゃん」
クスクス笑うせんせーから
視線が逸せなかった。
ずっと外を見てただけだって
なんで知ってるの?
あんなに囲まれて
お喋りしてたくせに。
「外を…」
「んー?」
「きれいなものを…見てました」
「きれいなもの?」
言いながら、
せんせーが窓に近づいて
校庭を見下ろした。
「はい。窓に…」
「あー、桜?」
「違います」
「違うの?なに見てたんだよー」
「内緒です」
本当に桜を見てたって言ってしまうのはなんだか惜しくて、
でもせんせーを見てた、だなんてもっと言えなくて。
なんにも答えないことが
一番、正解なんだって思った。