「翠ーーっ!!何頼むー?」

騒がしすぎて、声が聞き取りにくかった。

はぁ......。


なんで私がこんなところにいなきゃいけないんだろう。

何回か私の名前を呼んでいてくれたらしい果穂が、メニュー表を持って叫んだ。

「あ、えっと...サイダーで...」

「りょーかい!じゃあ次ーー」

はぁ...こんな場所、自分とは無縁だと思ってたから、どう言う反応が正解なのか、わかんないよっ...!!


顔が引きっている気がして、両手で頬を押さえる。


あんまり目立たぬように、ソファーに縮こまって座る。


さっきまで眩しいほど明るかった部屋が、真っ暗になり、

耳が潰れるかと思うほど騒がしいイントロが流れ出した。

はぁ...帰りたい..っ。