「美和」


夢の中で愛おしそうに私の名前を呼ぶ刃佳。

ああ、これが、現実だったらよかったのに…


「あ…」


まただ、起きるともう日は落ちていて、時計は8か時を指していた。


「…ご飯つくろう」


もしかしたら今日は食べてくれるんじゃないかって、淡い期待を持ちながら、いつものようにご飯をつくる。

刃佳はビーフシチューが好きだったよね…

できた頃には、時計は10時を指していて、それでも刃佳は帰ってきていなかった。