そして女の子は私が目をまん丸にしてる間にも話を続ける。



「鈴原さんって八雲くんのこと、好きじゃないよね?」



「……っえ?違います!!」



「なら良かった」



思ってもないこと聞かれてしまって焦る。



渚くんのことなんて好きになるわけないし。



そう思ったけど野々村さんが渚と呼んでいるのがなぜか心残りで胸が痛い。



野々村さんは私が手紙を受け取ったのを確認すると



「お願いねー」



と言い去ってしまった。