鏡の前でゆっくりと髪をクシでとかしていた時だった。



机に置いてあったスマホから朝には似合わない着信音が鳴る。



こんな朝になんの用かとスマホを手に取ると、発信してきていたのはまさかの渚くん。



「も、もしもし?」



「あーあのさ。俺の机に国語のプリントねぇ?」



電話越しでも何ひとつ変わらない口調だ。



国語のプリントってのは多分だけど今日提出のやつかな?