それだってのに



「じゃ、お母さんたち帰るね」



お母さんと、渚くんのお母さんは私たちに手を振って帰ってしまいそう。



「困ったことあれば連絡してね」



お母さんは私にそれだけ言い残すと、渚くんのお母さんと



「お茶でもしません?」



なんて呑気に行ってしまった。



あぁ、行っちゃった。



困ったことばかりだよ。



その場には私と渚くんの2人だけが残された。