「なんかお前今日浮かない顔してたから」



「えっ」



「最近できた菓子屋のプリン」



渚くんは私が紙袋を持ったのを見るとそのまま洗面所に手を洗いに行った。



そのお菓子屋さんの話は莉奈ちゃんがついこの間してた。



すごい人気で連日行列らしい。



それなのにわざわざ買ってきてくれたなんて……。



「ありがとう!」



「1個は俺のだからな」



洗面所から渚くんが釘を刺すように言う。



さすがに2つも食べないよと心の中で笑いながらプリンを冷蔵庫に入れる。