渚くんも野々村さんのことを名前で呼んでいることが意外だった。



仲……いいんだと思う。



そりゃお互い下の名前で呼びあっていて仲が悪いわけがないよね。



そう考えたらなぜかわからないけれど胸が少し痛いような気がした。



渚くんは授業前の限られた時間なのに、野々村さんからの手紙に目を通している。



一通り読み終わったのか、



「戻るぞアホ」



と講義室の電気を消して教室から出ていってしまった。