そ、そんな顔って‥‥
また真っ赤になってるのかな‥‥


こんな暗闇でも見えてしまってるなら
もう隠し方が分からない



とろけた脱力感と共に筒井さんの胸に
もたれ小さく頷くと、頭を撫でて
くれていた手が止まり、そのあと
声を出して笑われた。


したくなったなんて恥ずかしいことは
自分から言えないけど、このまま
無性に離れがたくなってる自分が
いたから勇気を出して頷いたのに
笑うなんて‥‥




『フッ‥素直すぎるのも困ったもんだ。
 向こうに帰るまで待ってろ‥‥
 朝まで優しく抱いてやるから。』


「えっ!?
 そ、それはいいです!
 その‥‥体が持ちませんから‥‥‥」



スゴイ内容の会話に羞恥心で
顔もあげれない私とは違い、
喉を鳴らして笑う筒井さんに
また子供扱いされてしまった気がする




2日目は恒例のロードバイクでの
サイクリングをすることになっていた。



『天気もいいし最高だな。』


『体鈍ってるから俺、
 明日は筋肉痛かも。そしたら
 運転とか無理だから亮、頼むな』


3人のサイクルウェア姿も
久しぶりに見ると、改めてすごい
容姿の持ち主達といることに圧倒
されてしまう。


180センチ以上のモデルのような
3人は、あんなにお酒を飲む割に
無駄な肉もない均整のとれた体の
ラインを維持してるから
なんだか納得いかない。



『井崎さんウェア可愛いね。
 新調したの?』


「あ、そうなんです。
 動きやすいランニングウェアしか
 持ってなかったので、今回2日間も
 出来ると聞いて奮発しました。」


これからも使えるようにシンプルな
黒にしたけれど、赤のラインが
所々に入っていて着心地もいいから
気に入ってるのだ


『すごく似合ってる。
 背が高くてスタイルいいから
 体のライン綺麗よね?
 わたしもランニング始めようかな。』


「気持ちいいですよ。
 疲れてても早起きして走ると
 目が本当に覚めるので。」


ずっと続けているランニングと
ストレッチのおかげで病気もあまり
せずに過ごせてるのもあるけど、
筒井さんの体力が底なしなので、
それのために鍛えてるのもあるとは
とても言えない‥‥


昨日言われたことを思い出し
危うく顔が火照りそうになったけど、
ストレッチをしながら体をほぐし
出発をした。


『また後でな。
 気をつけてゆっくりおいで。』


「はい、楽しんできます。
 筒井さんもお気をつけて。」