私にもよくしてくるけど、
なんていうか古平さんには特に
ボディタッチも多いし、結構強めに
絡んでるからお互いにすごく居心地が
いいんだろうなとは思ってる



『恣意的な拓巳が1人の人といつか
 向き合える日こそ来たらお祝い
 しないとね。』


「しいてき?ですか?」


『見たままだろ?気ままで自分勝手。
 思うまま振る舞って生きてる自由な
 ヤツだから、付き合う人はそれを
 理解できる人じゃないと無理かな。』


難しい言葉だけど、確かに蓮見さんを
表しているかのようにも思える


勿体無いな‥‥
恋愛初心者な私が言えることでは
ないけれど、蓮見さんはちゃんと
まわりを見てるし優しいから‥‥


筒井さんも前にそんなようなことを
言っていたのをふと思い出した


キッチンで亮さんが作る
スパイスカレーとキーマカレーを
教えてもらいながら一緒に作り、
私達もその後デッキで一緒に
飲みながら過ごした


『‥‥眠いなら少し寝ておけ。』


3人ともリビングで映画を見ていたら
案の定眠ってしまったので、そっと
デッキに戻ると暖かくて
気持ちがいいから本を読んでいたら
ウトウトしてきたのだ


「筒井さんは寝ないんですか?」


『ん?写真の整理してから少し
 寝るよ。お前も見る?』


「えっ?見たいです!」


デッキにひいてあるキルトラグに
寝そべってパソコンを操作していた
筒井さんの横に行き、私も
同じようにうつ伏せで寝そべると
腕の下にクッションを入れてくれた


「あ‥‥これって‥フランスですね。」


クッションにもたれながら
目の前のパソコンの画面を見ると、
映し出される映像に目が覚めていく


綺麗‥‥‥


日本とは違う建物やお店だけではなく、
橋や街灯、乗り物1つでも違う景色は
どれを見てもワクワクさせられる


「恋しいですか?」


隣で寝そべる筒井さんの方を見ると、
わたしの方を見て少しだけ笑った。


『毎日過ごしていると見飽きるけど、
 懐かしいな‥‥‥ついこの間まで
 ここにいたのが当たり前だったから。
 あ‥‥この人が昔世話になった
 同期の元輝(もとき)』


「あ‥‥前に伊野尾さんに少しだけ
 お名前聞いた人だと思います。
 筒井さんが向こうに行くきっかけと
 なった方ですよね?
 いつかお会いしてみたいです。」


画面にうつるラグビーでもやってそうな
体格のいい男性が他の社員さんと
写っている写真を見て優しそうな
人だと思った


『結婚してフランスに住んでるから
 なかなかこっちには来ないから、
 会いにいくか?』


えっ?