話してる間も耳朶や耳の裏に指を
触れさせ触ってくるので動き回る手を
握ってそれを阻止した



『フッ‥‥ ‥顔真っ赤。』


「つ、筒井さんが
 そうさせてるんですよ‥‥」


タオルの隙間から私を覗く顔すら
色気が漂っていて目のやり場に
今でも正直困っているのに‥‥


『C'est du skinship.」


えっ?


近づいてきた筒井さんが
タオルを少し持ち上げると、
私の唇に軽く触れるだけのキスをした


「筒井さん!!何して‥」


『‥‥そんな顔したお前が悪い。
 ‥‥さてと俺もシャワー浴びて、
 冷えたビールでも飲もうかな。
 お前も着替えておいで‥』


至近距離でもう一度唇を噛むように
啄まれると、立ち上がった筒井さんが
わたしの頭を撫でて別荘の方へ
行ってしまった


‥‥‥こんなところでキスされる
なんて思ってもみなくてこのまま
芝生に倒れそうになる


こんなことに慣れる日なんて
もしかしたら私は一生来ないんじゃ
ないかな‥‥


「こんなのただの
 スキンシップじゃないよ‥‥」


きっと今の学生の方が私よりも
大人の恋愛してる子の方が
確実に多いのに、経験値のなさで
こんなことでも恥ずかしさが
出てしまう。


大人の筒井さんには釣り合わないくらい
申し訳ない経験値で申し訳ない


トボトボと別荘まで行くと、
既に私と筒井さん以外の3人は
リビングスペースでワイワイ
飲み始めてる様子が伺えたので、
2階に上がりシャワーを浴びてから
服を着替えてみんなの元へ向かった



今回の別荘の旅行は
4月31から5月3日までの3泊4日



昨年のGWは筒井さんと温泉に行き、
秋は帰国された筒井さんの怪我のこと
があり延期になったから、私にとっては
一年半ぶりの別荘なのだ



今回も大型の冷蔵庫がパンパンになる
ほどの5人分の食材を買い込み、そこに
入りきらない程のワインやビールも
持ち寄った


旅行というよりは、なんというか
家族で過ごすようなこの時間の
過ごし方は居心地がいい


「結局亮さんが作られてるんですね?
 お手伝いします。」


キッチンで食材を切っていた亮さんの
側に行き、コットンシャツの袖を肘まで
捲った。


『ありがとう。見ての通りで
 古平は捕まって逃げれない感じに
 なってるからな。』


カウンターからウッドデッキを見れば、
確かに蓮見さんに絡まれているのが
伺える。


「ほんとに仲良しですよね。
 お似合いなんて言ったら叱られて
 しまうかもしれませんが。」