掠れ気味の声で、押し殺していた本音がぽろり、────落ちてもソレを拾うのは自身の聴覚ばかり。


 口からすべっても掬いとってくれる相手が居るでもなく、拾ってくれる対象が在るワケもなし。

 ただ無情な空気と贅沢な空間に吸い込まれ、形も証明もない物は、あっけなく霧散し空気と化して消えていく。



 それがこの世の、

 自然の摂理というもので。




 ・・・・・そんな。

 どうしようもない現実に、逃れようのない真理に。


 心底、

 ・・・・・恐怖と孤独を感じた────…。