横長式の、19世紀時代にトリップしたような、豪華な雰囲気(よみがえ)る4階建て。

 まるで壮麗な高級ホテルのようで、
 古典建築として名を馳せていそうな。



 その建物は、────…オフホワイトを基調とした石造りとなっているのに扉枠は茶褐色の骨組みだったり、
 煉瓦(れんが)が挟みこまれていたり。と。


 日本とはことなる、建築のデザインや様式を垣間見ているようで何とも。

 こころが奮い立つ、『描いてみたい』なんて絵描き貪欲の衝動と新鮮味と、洗練さに状況も忘れ、すなおに感嘆してしまった。




 (────……ぅ、ゎぁ、
 す、ごぃ)



 …それでもすぐに。

 我に返るとさすがに、場違い感と引け目も彷彿としてきて。




 (…………………っえ。
 ここに入って、……いい・の?)