「ん〜…ただいまぁコウちゃん。いい子にお留守番してたねぇ〜」



 我が家の愛猫、コウちゃん((オス))を優しく、撫でながら
 ふぃ〜…。と

 か細く息を吐くことでモヤモヤの消化を、なんとか誤魔化して。



 先に、キッチンに向かったコウちゃんの、
 尻尾を追いかけるように

 短い廊下を歩きぬけ、キッチンの引き戸をがらがらと音を立て開けると、私は室内へと。


 身を投じていった────…。




 ────…静かな宵は、
 鳴りを潜めて

 喧騒を受け止める


 ザワつかない日常を過ごすには、
 まだ

 ほど遠い────…