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 「………ただい。まぁ」




 カラカラ、カラ────…。と玄関の引き戸をスライドさせ
 疲れた声で帰宅の有無を、独白する。



 馴染みの空間。

 流れてくる暖の空気と、閉じられたキッチンの引き戸から漏れでる、電気の光は
 いつもの日常の光景だと示してくれる。




 けど、疲れたイマには体にも心にも作用して、受けながすには遠く、



 ・・・・・・しんどいもの。




 聞こえてくるのは祖母と、母の喧嘩の声だ。

 
 そして、仲裁とは名ばかりに。

 ────…祖父の祖母を擁護する、抑止の怒声も重なって(たちま)ち、激化。



 いつもいつもいつも、いつも。

 同じ理由で、同じきっかけで私や妹、母と祖母は対立する。