・・・・・・パーティー?って、・・え?



 テレビや漫画や海外の世界で俗に()う、富裕層の道楽、
 のようなもの。の、


 ・・・・・『あれ』?




 え、




 「……ぃ、いえぁのっっ、…ぇッと、」



 突然の、意図不明確なお誘いには計りかねさすがに『否』を示し、首を小刻みに振ってみせるのに。

 彼女は、私の反応などお構い無し。


 「明日は土曜日よね。パーティーは夕方からだけれど、支度があるからお昼頃にこちらに
 伺うわ」なんて、
 予定を取り付けてくる始末である。



 私が、「いや、っちょっと待っ、」と吃って応えを
 切り返す間もなく、

 彼女は、時間指定まで助手席の黒スーツの紳士と話しだしたので。


 いくらなんでも、本人の意思不在にことを進めるのは不躾では?と『待った』をかけると

 奥歯に力をいれて、私はふたたび彼女らに向けて開口した。




 「すみません、あの、」

 「何か問題でも?」


 「…明日、は、……用事、があっ、」


 「あら。お母様は「貴女は明日の予定はとくに無い」と仰っていたわよ?」



 「────…え?」




 お母様?

 お母様、って、



 「え……っ、…なに。勝手、に母に、…会ったんですか?知り合いでもない、のに」




 ────…その一瞬。

 ほんの一瞬だったが、私のその言葉に何か、引っかかりを感じたらしい彼女の、


 その小奇麗なまでの柳眉(りゅうび)が、
 不快そうにクイッともちあがり、