このひとに直感するのは、『同情』でも『心配』でも『背徳的他意』でもない。



 もっとべつの、ナニカを────…、

 リスキーに騒ぐ第六感な脈絡を、感じる、




 「…っ、」




 音にならない、閉塞感。

 心拍が上がって、行き場を途端に見失う。



 咄嗟に、肩にかけていたかばんに指先で触れかけた手前で立ち止まった、思考の回想。

 眼裏に呼びこむのは、先刻、目にした光景と現実逃避をした自分の、情けない姿。




 ・・・・・今さら、どのツラ下げて連絡、取れるか。



 そもそも多少のイレギュラーが起きたから。と言って彼らに電話するのすら、烏滸がましい。


 そんな、大それた関係性でもないクセに、と結局は、そこに回帰する、問題が。




 問題は・・・・・、


 ・・・・そんなトコロじゃない、・・・のに。