狐は笑いながら言い放つ。加奈葉はますます顔が引き攣る。
「残念です。今日から仲間入りですね。」
そう言うと袋を取り出し加奈葉を丸々覆った。
「だから言ったでしょ。」
狐は笑いながらこう言い放つ。
「決して悪い事には使わないでくださいと。」
少女が離れて何分か経ってようやく時が動いた。
いや、何分も経ってないかもしれない。

ーーー

【速報です。
■■交差点で女性が跳ねられました。
この女性は数々の窃盗を繰り返したと見られ警察が行方をおっていたと思われます。もう一度お伝えします――。】
テレビか消える。
それを見ていた狐が嘲笑うように顔が引き攣った。

それでは、これを見ている貴方に問います。
これは“誰にとって”の理不尽な死なのでしょうね。