「ねぇねぇ、みなみ、どうしよう。私緊張してる。オリンピックより緊張してる。」
「先輩、大丈夫ですよ。先輩は、強いんですから。」
ついにやってきたマッチングアプリでやりとりしていた人と会う日。
私は、大都会にやってきた。
大きな高層ビルが多く並び立ち、働くサラリーマンOLたちが行き交う街。
そして、大きな木が並び生え、カフェも多くある。
私たちは昨日、後ろの影に隠れながら、話している。
「服装髪型いけてるかな？」
必死に来ないなかったって鏡を手に自分の姿を確認した。
「はい。完璧です。先輩綺麗です。」
「おめかししすぎって思われるかな？」
「デートなんて、おめかししてなんぼです。」
こんなめんどくさい先輩の相手をしてくれるみなみ。
彼女には世話になってばかりだ。
「先輩、行ってください。」
「よし、行ってくる。」
彼女は私の大きな背中を押してくれた。
あゆみを進めると約束していたカフェが見えてきた。
その壁の前に、1人の男性。
黒いTシャツ、GLAYのパンツ。
足首が少し見えた靴を履いていた。
180センチの長身で、黒のセンター分けが似合う好青年だった。
よくチングアプリは写真詐欺だと言われる。
だから私は正直、内心ドキドキしていた。
写真と違う人が来たらどうしよう？
おじさんが来たらどうしよう？
だが、そんな私の予想を、はるかに超えたビジュアルで登場した彼。
私は緊張した心を隠しながら、
「おさむさんですか？池田です。」
彼に話しかけた。
「池田さん。はじめまして。おさむです。よろしくお願いします。」
彼は、会社の商談課のような慣れた素振りで挨拶を済ませた。
彼は、女性とデートすることに慣れているのだろう。
なんとなくそんな感じがした。
それに対して、私は男性とデートしたのはいつぶりだろうか。
考えても、考えても、思い出せないほど、はるか昔のことだった。
私は、そんな心を隠しながら、私はよく男性とデートしますよ風を装いながら、
「よろしくお願いします。」
と言った。
「じゃあ行きましょうか。」
彼の声と共に、私たちは店内に入った。
店内に入ると、天井にはよくわからない旗があちらこちらに飾られていた。
これがおしゃれと言うやつなのか？
端と言うと、私は、試合に見る国旗を思い浮かべるが、世間一般の人たちは、こういう端を日常生活で目にしているのか。
ウェイターの人は、黒いエプロン、黒い、ズボン、白いワイシャツをミニと言いながら、
「こちらです。ごゆっくりどうぞ。」
そう、私たちの椅子を引いてくれた。
何も顧問は、私が普段見ている景色とはまるで違った。
ウェイトレスの彼女が、私たちの前に大きなメニューを差し出す。
「お飲み物、何飲まれますか？」
理さんは、私にそう聞いた。
私はドリンクランに目を向ける。
こういう時、世間一般の女性は、何を頼むのだろうか。
考えても、考えてもわからなかった。
「プロテ…あ。」
「プロテ？」
私はまずプロテインと口にしてしまっていた。
飲み物と言えば、プロテイン。
私の中では、いつもそうだからだ。
「いえ、イチゴオレで。」
私は慌てて行い直していた。。
なぜイチゴ売りにしたかと言うと、この中で最も可愛い飲み物にしておいた。
他には何とかサイダーや何とかビネガーなどいっぱい書かれていたが、わけのわからない。飲み物を飲むよりは味が想像できるいちごオレにしておいた。
「甘いのがお好きなんですね。」
「は、はい。」
私の冷や汗は止まらない。
デートはこんなにも気を使わなければいけないのか。
ドリンクを選ぶだけで、私はもう疲れ切っていた
「お食事も頼みますか？何にされます？」
私は一息ついていると、次は食べ物について尋ねられた。
私は食べ物の欄に目を向けた。
本当だったら、ハンバーグ定食か、ステーキ、体のことを考えてチキン南蛮を頼みたいところだけど、女性でこんなにがっついたら引かれるよね。
また、私の脳内は様々なことで混乱し始めた。
「サンドイッチで。」
考えた末、1番無難なサンドイッチにしていた。
「軽食でいいんですね。」
「は、はい。私少食なので。」
嘘つけ。
誰が少食なんだ。
私は大食いだ。
彼が手を挙げると、店員がやってきた。
「イチゴオレとアイスティー、サンドイッチとハンバーグ定食お願いします。」
彼をまたスマートに注文を終えていた。
彼はデートと言うものに慣れている。
そう感じた。
ハンバーグ定食か。
いいなぁ。
やっぱりハンバーグ定食にすれば良かったかなぁ。
いや引かれるよりは、無難にサンドイッチの方がいいよね。
イチゴオレってやりすぎたかな？
私の見た目には合わなすぎて引いてるよね。
無難にアイスティーにすれば良かったかなぁ。
私の脳内会議が始まり止まらなかった、
「池田さん。」
「は、はい。」
「どうされましたか？」
「いえ、何も。」
彼の呼びかけで、私は、現実へと、ふたたび戻されたのだった。
「池田さんは、お仕事、何されてる方なんですか？」
「お、お仕事ですか？」
お仕事？
ここは、素直に柔道選手って言う？
いや、ひかれるよね？
いやせめてスポーツ選手って言った方がいいのか？
でもスポーツ選手もひかれちゃうよね？ここは無難に…
「事務の仕事をしています。」
私の汗が止まることを知らない。
バックの中からハンカチを取り出し、ひたすら汗を拭く。
「そうなんですね。」
「は、はい。」
「どのへんで？」
「え？こ、このへんです。」
私の声は、裏返った。
まるで警察に取り調べをされている犯人かのような気持ちになってしまっている。
「そうなんですね。何系の会社なんですか？」
彼による取り調べは、なかなか止まらなかった。
「何系？スポーツ関係ですかね。」
もうこれ以上聞かないでくれ。
これ以上は、答えられないよ。
「お待たせしました。サンドイッチとハンバーグ定食です。」
発狂しそうになっていると、ちょうど良いタイミングでメイトレイさんが料理を運びに来てくれた。
助かったぁ。ナイス店員さん。
私は心の中で彼女にぐーサインをしていた。
「美味しそうですね。」
「ですね。」
私は彼の前に運ばれてきたハンバーグから目を離せない。
「ハンバーグ、気になります？」
「いえ。そういう訳では…」
「良かったら半分にしましょうか？」
「え？いいんですか？」
「はい。僕もサンドイッチ食べたいと思っていたので。」
なんと気遣いができる人なんだろうか？
私の目線に気づき、ハンバーグを分けてくれた。
私が申し訳ない気持ちにならないように、自分が食べたかったとも言ってくれた。
私はまた思ってしまった。
彼は、女性と言う生き物に慣れているのだ。
「あ、ありがとうございます。」
おさむさん、紳士的な方。
私が本当は、ハンバーグが食べたいって言わなくても気づいたのかな？
私が罪悪感を抱かないように、僕も食べたかったって言ってくれた。なんて素敵な人なんだ。
私は非常に単純な人間だ。
この出来事で、彼は、私の心を一気につかんでいったのだ。
私はハンバーグを目の前にくっついて食べて、動いた手が止まらなかった。
久しぶりにこんなにおいしいものを食べた。
しばらく減量していたため、試合後の幸せを感じた。
「美味しそうに食べますね。」
「あ、すみません。」
しまったぁ。
いつもの癖で練習の後の食事みたいに食べてしまったぁ。
あああひかれたかな？
また、私の脳内会議が始まってしまった。
思わずこめかみをかいてしまう。
「いえいえ。僕美味しそうにご飯を食べる女性、好きです。素敵だなぁって思います。」
ズキュン。
私の胸の中で、音がしたような気がした。
これが恋に落ちる瞬間と言うやつだろうか？
初めて言われた。
ご飯を食べる女性が素敵なんて。
この人となら、私付き合うことができるかもしれない。
そんなことを考えながら、彼の目を見つめ続けた。
気づくと、2時間と言う時間が経っていた。
「池田さん。今日は、ありがとうございました。」
「こちらこそありがとうございます。」
カフェの外に出た私たちは、お互いに会釈をした。
私たちは見つめ合った後、しばらく経って、彼が口を開いた。
「また僕と会ってくれますか？」
「もちろんです。」
「で、ではまた連絡します。」
「はい、ぜひ。」
そう言って、彼は、この場を立ち去った。
私は彼の背中を見つめ続けた。
カシャカシャカシャカシャ。
私は彼の姿に夢中になっていて、この音に気づくことができなかった。
「せ、先輩。どうでした？上手くいきました？」
木の影からリュックを背負ったみなみが私に駆け寄ってきた。
「すごく良い人だったよ。」
私はどこか放心状態だった。
私の人生に、こんな素敵なことが起こるなんて。
私は今起こったことが現実なのか、非現実なのか受け止めることができずにいた。
昔、恋愛でおったキスがトラウマになって、しばらく恋愛できていなかった。
そんな私でも、彼となら、もう一度恋愛することができるかもしれない。
そう思えた瞬間だった。
「先輩、大丈夫ですよ。先輩は、強いんですから。」
ついにやってきたマッチングアプリでやりとりしていた人と会う日。
私は、大都会にやってきた。
大きな高層ビルが多く並び立ち、働くサラリーマンOLたちが行き交う街。
そして、大きな木が並び生え、カフェも多くある。
私たちは昨日、後ろの影に隠れながら、話している。
「服装髪型いけてるかな？」
必死に来ないなかったって鏡を手に自分の姿を確認した。
「はい。完璧です。先輩綺麗です。」
「おめかししすぎって思われるかな？」
「デートなんて、おめかししてなんぼです。」
こんなめんどくさい先輩の相手をしてくれるみなみ。
彼女には世話になってばかりだ。
「先輩、行ってください。」
「よし、行ってくる。」
彼女は私の大きな背中を押してくれた。
あゆみを進めると約束していたカフェが見えてきた。
その壁の前に、1人の男性。
黒いTシャツ、GLAYのパンツ。
足首が少し見えた靴を履いていた。
180センチの長身で、黒のセンター分けが似合う好青年だった。
よくチングアプリは写真詐欺だと言われる。
だから私は正直、内心ドキドキしていた。
写真と違う人が来たらどうしよう？
おじさんが来たらどうしよう？
だが、そんな私の予想を、はるかに超えたビジュアルで登場した彼。
私は緊張した心を隠しながら、
「おさむさんですか？池田です。」
彼に話しかけた。
「池田さん。はじめまして。おさむです。よろしくお願いします。」
彼は、会社の商談課のような慣れた素振りで挨拶を済ませた。
彼は、女性とデートすることに慣れているのだろう。
なんとなくそんな感じがした。
それに対して、私は男性とデートしたのはいつぶりだろうか。
考えても、考えても、思い出せないほど、はるか昔のことだった。
私は、そんな心を隠しながら、私はよく男性とデートしますよ風を装いながら、
「よろしくお願いします。」
と言った。
「じゃあ行きましょうか。」
彼の声と共に、私たちは店内に入った。
店内に入ると、天井にはよくわからない旗があちらこちらに飾られていた。
これがおしゃれと言うやつなのか？
端と言うと、私は、試合に見る国旗を思い浮かべるが、世間一般の人たちは、こういう端を日常生活で目にしているのか。
ウェイターの人は、黒いエプロン、黒い、ズボン、白いワイシャツをミニと言いながら、
「こちらです。ごゆっくりどうぞ。」
そう、私たちの椅子を引いてくれた。
何も顧問は、私が普段見ている景色とはまるで違った。
ウェイトレスの彼女が、私たちの前に大きなメニューを差し出す。
「お飲み物、何飲まれますか？」
理さんは、私にそう聞いた。
私はドリンクランに目を向ける。
こういう時、世間一般の女性は、何を頼むのだろうか。
考えても、考えてもわからなかった。
「プロテ…あ。」
「プロテ？」
私はまずプロテインと口にしてしまっていた。
飲み物と言えば、プロテイン。
私の中では、いつもそうだからだ。
「いえ、イチゴオレで。」
私は慌てて行い直していた。。
なぜイチゴ売りにしたかと言うと、この中で最も可愛い飲み物にしておいた。
他には何とかサイダーや何とかビネガーなどいっぱい書かれていたが、わけのわからない。飲み物を飲むよりは味が想像できるいちごオレにしておいた。
「甘いのがお好きなんですね。」
「は、はい。」
私の冷や汗は止まらない。
デートはこんなにも気を使わなければいけないのか。
ドリンクを選ぶだけで、私はもう疲れ切っていた
「お食事も頼みますか？何にされます？」
私は一息ついていると、次は食べ物について尋ねられた。
私は食べ物の欄に目を向けた。
本当だったら、ハンバーグ定食か、ステーキ、体のことを考えてチキン南蛮を頼みたいところだけど、女性でこんなにがっついたら引かれるよね。
また、私の脳内は様々なことで混乱し始めた。
「サンドイッチで。」
考えた末、1番無難なサンドイッチにしていた。
「軽食でいいんですね。」
「は、はい。私少食なので。」
嘘つけ。
誰が少食なんだ。
私は大食いだ。
彼が手を挙げると、店員がやってきた。
「イチゴオレとアイスティー、サンドイッチとハンバーグ定食お願いします。」
彼をまたスマートに注文を終えていた。
彼はデートと言うものに慣れている。
そう感じた。
ハンバーグ定食か。
いいなぁ。
やっぱりハンバーグ定食にすれば良かったかなぁ。
いや引かれるよりは、無難にサンドイッチの方がいいよね。
イチゴオレってやりすぎたかな？
私の見た目には合わなすぎて引いてるよね。
無難にアイスティーにすれば良かったかなぁ。
私の脳内会議が始まり止まらなかった、
「池田さん。」
「は、はい。」
「どうされましたか？」
「いえ、何も。」
彼の呼びかけで、私は、現実へと、ふたたび戻されたのだった。
「池田さんは、お仕事、何されてる方なんですか？」
「お、お仕事ですか？」
お仕事？
ここは、素直に柔道選手って言う？
いや、ひかれるよね？
いやせめてスポーツ選手って言った方がいいのか？
でもスポーツ選手もひかれちゃうよね？ここは無難に…
「事務の仕事をしています。」
私の汗が止まることを知らない。
バックの中からハンカチを取り出し、ひたすら汗を拭く。
「そうなんですね。」
「は、はい。」
「どのへんで？」
「え？こ、このへんです。」
私の声は、裏返った。
まるで警察に取り調べをされている犯人かのような気持ちになってしまっている。
「そうなんですね。何系の会社なんですか？」
彼による取り調べは、なかなか止まらなかった。
「何系？スポーツ関係ですかね。」
もうこれ以上聞かないでくれ。
これ以上は、答えられないよ。
「お待たせしました。サンドイッチとハンバーグ定食です。」
発狂しそうになっていると、ちょうど良いタイミングでメイトレイさんが料理を運びに来てくれた。
助かったぁ。ナイス店員さん。
私は心の中で彼女にぐーサインをしていた。
「美味しそうですね。」
「ですね。」
私は彼の前に運ばれてきたハンバーグから目を離せない。
「ハンバーグ、気になります？」
「いえ。そういう訳では…」
「良かったら半分にしましょうか？」
「え？いいんですか？」
「はい。僕もサンドイッチ食べたいと思っていたので。」
なんと気遣いができる人なんだろうか？
私の目線に気づき、ハンバーグを分けてくれた。
私が申し訳ない気持ちにならないように、自分が食べたかったとも言ってくれた。
私はまた思ってしまった。
彼は、女性と言う生き物に慣れているのだ。
「あ、ありがとうございます。」
おさむさん、紳士的な方。
私が本当は、ハンバーグが食べたいって言わなくても気づいたのかな？
私が罪悪感を抱かないように、僕も食べたかったって言ってくれた。なんて素敵な人なんだ。
私は非常に単純な人間だ。
この出来事で、彼は、私の心を一気につかんでいったのだ。
私はハンバーグを目の前にくっついて食べて、動いた手が止まらなかった。
久しぶりにこんなにおいしいものを食べた。
しばらく減量していたため、試合後の幸せを感じた。
「美味しそうに食べますね。」
「あ、すみません。」
しまったぁ。
いつもの癖で練習の後の食事みたいに食べてしまったぁ。
あああひかれたかな？
また、私の脳内会議が始まってしまった。
思わずこめかみをかいてしまう。
「いえいえ。僕美味しそうにご飯を食べる女性、好きです。素敵だなぁって思います。」
ズキュン。
私の胸の中で、音がしたような気がした。
これが恋に落ちる瞬間と言うやつだろうか？
初めて言われた。
ご飯を食べる女性が素敵なんて。
この人となら、私付き合うことができるかもしれない。
そんなことを考えながら、彼の目を見つめ続けた。
気づくと、2時間と言う時間が経っていた。
「池田さん。今日は、ありがとうございました。」
「こちらこそありがとうございます。」
カフェの外に出た私たちは、お互いに会釈をした。
私たちは見つめ合った後、しばらく経って、彼が口を開いた。
「また僕と会ってくれますか？」
「もちろんです。」
「で、ではまた連絡します。」
「はい、ぜひ。」
そう言って、彼は、この場を立ち去った。
私は彼の背中を見つめ続けた。
カシャカシャカシャカシャ。
私は彼の姿に夢中になっていて、この音に気づくことができなかった。
「せ、先輩。どうでした？上手くいきました？」
木の影からリュックを背負ったみなみが私に駆け寄ってきた。
「すごく良い人だったよ。」
私はどこか放心状態だった。
私の人生に、こんな素敵なことが起こるなんて。
私は今起こったことが現実なのか、非現実なのか受け止めることができずにいた。
昔、恋愛でおったキスがトラウマになって、しばらく恋愛できていなかった。
そんな私でも、彼となら、もう一度恋愛することができるかもしれない。
そう思えた瞬間だった。
