僕は、朝のニュースを見て、ここまで来てしまった。

彼女の練習場だ。

彼女は、今僕と付き合っている。

だが、2股交際や、不倫報道が出ている。

彼女のことは、信じている。

だが少し不安だった。

直接彼女から聴きたかった。


「先輩大丈夫かな?」
「先輩最近塞ぎ込んじゃってますね。」
「だね。」
「とにかく原がなんとかしてくれるみたいだしね。」
「ですね。」

道場の中まで入ると、女性3人組が彼女の話をしているみたいだった。

「あの…」

僕は、勇気を出して、声をかけた。

「?」

3人は、僕を不審そうな目で見つめる。

「池田さん、いらっしゃいますか?」

「先輩は、しばらく練習には出ないんです。どなたですか?」

3人組のボスらしき人が淡々と答える。

「す、すみません。申し遅れました。池田さんとお付き合いさせて頂いてる…」

「あ!賢斗さん?」

僕は、彼女たちと合コンであったことがあるのだが、気づいていなかったらしい。

「は、はい。池田さん、電話に出てくれなくて。」

「すみません。今先輩、塞ぎ込んでしまって。」

彼女たちの話によると、もう1週間は、部屋から出てこないらしい。

そして、人間不信になってしまっているらしい。

「そ、そうですよね。」

「あの先輩は、絶対に不倫なんてしてないし、2股交際もしてないんでそれだけは信じてあげてください。」

みなみさんという人が彼女の代わりに僕に伝えてくれた。

僕は、彼女を信じようと思う。

「彼女は、僕のことを好きでいてくれているのかは、わからないです。」

「え?」

僕は、3人に対して安心感を覚えたのか、気づくと、自分の悩みを打ち明けていたのである。

「困った時に僕に連絡してくれないし、こないだディナーに行った時も違う人に心を動かされてた。」

「違う人?」

僕の口は、止まることを知らなかった。

「ああ。原さんか。」

「原さん?」

「いえ、なんでもないです。」

みなみさんは、慌てた様子だった。

やはり彼女にとってその原という奴は、特別な存在なんだ。

3人の様子を見ていて気づいてしまった。

「でも先輩は、賢斗さんのことが好きです。」

「そうです。こないだディナー行った後も、嬉しそうに話してましたよ?」

ふみさんとさゆみさんは、こう言ってくれたが、僕は、自信がなくなってしまった。