みんなしてなんなの。

原はさ、合コン行くし、先輩は、めぐみさんとだし。  
 
あああイライラする。

いいもん。私には、賢斗さんがいるもん。

「ゆいちゃん。」

そんなことを思っていると、賢斗さんが目の前に現れた。

「あ、賢斗さん!どうしたんですか?」

「仕事場で近くまで来てさ。これ。」

そう言って、彼は、シュークリームの入った箱を手渡してくれた。

「差し入れですか?」

彼は頷いた。

私は、お礼を行って、それを受け取った。

道場のメンバーも次々に彼にお礼を言う。

「ありがとうございます。」

彼は、紳士的な人だ。

私だけじゃなく、私の環境まで愛してくれようとしているのだ。

「会いたかった。」

彼が突然そんなことを言ったのだ。

心の準備をしていなかった私の鼓動は、一気に高鳴った。

「わ、わたしもです。」

先ほどまで考えていたモヤモヤが、一気に消え去ったのだった。

「練習終わったら、ディナーに行かない?」

彼がそう言った。

私は、頷いた。

その後の練習は、いつもの倍早く感じた。